実はライトセーバーはGraflex社のカメラフラッシュの持ち手部分が原点。
スターウォーズEP4撮影時は予算が相当厳しく、小道具を新しくデザインして作成する予算がありませんでした。
そこで既存品を組み合わせて「それっぽくする」手法で小道具が作られていたんです。
ライトセーバーもそのうちの1つで、ルークの最初のライトセーバーはカメラのフラッシュガンの持ち手部分がほぼそのまま使われています⇩

この背景を忠実に再現したレプリカも存在していて「アレックスセーバーズ グラフレックスEP4」は撮影で実際に使われていた本物に近いデザインで作られています。
マニアが唸る出来なので、1度みてみると面白いですよ。
カメラフラッシュを使うことになった経緯
銀河を代表する武器「ライトセーバー」にカメラのフラッシュが使われることになった理由のひとつが、EP4『新たなる希望』の制作環境にあります。
当時の『スター・ウォーズ』は、現在のような世界的大作シリーズになるなんて誰にもわからなかった時代。
美術スタッフのロジャー・クリスチャンによると、使える予算は限られており、ジョージ・ルーカスからもいかにも新品でデザインされたSF用品ではなく、実際に使われていそうな世界観を求められていました。
そこで制作現場では、
「すでに存在するものを組み合わせて、見たことのない未来の道具にしてしまう」
という手法が多く使われたんです。
そしてライトセーバーを探していたロジャー・クリスチャンが、ロンドンのカメラ店で偶然見つけたのがGraflex(グラフレックス)の古いカメラフラッシュでした。

箱から取り出した瞬間に、
「これだ!」
と思ったそうです。
確かに元のGraflexを見てみると、すでにライトセーバーっぽいんですよね⇩

銀色の円筒形のボディ、赤いボタン、中央の金属製クランプ。
大がかりに形を作り直す必要がないほど完成された見た目。
そこへ黒いグリップや電卓から取ったパーツ、腰から吊るすためのDリングなどを追加。
こうして、オビ=ワンからルークへ渡されるあの伝説的ライトセーバーの撮影用小道具が完成します。
私たちが「ライトセーバー」と聞いて思い浮かべるあの象徴的な持ち手のデザインは、偶然見つかったカメラフラッシュから生まれたというわけです。
今ではスター・ウォーズを代表するデザインなのに、始まりが古いカメラ用品だったと思うと感慨深いですよね。
元になったカメラフラッシュの型番
ルークのライトセーバーのベースになったのは、
Graflex 3 Cell Flash(グラフレックス 3セル フラッシュ)
と呼ばれるカメラ用フラッシュユニットです。
Graflexは大型カメラなどを製造していたアメリカのメーカーで、この円筒部分はフラッシュバルブを発光させるためのフラッシュガンとして使われていました。
実際にEP4の撮影用ライトセーバーには、初期型のFolmer Graflex系3セル・フラッシュハンドルが使われたことが確認されています。
そして驚くのが、元のGraflexとルークのライトセーバーを並べたときの違いの少なさ。

ライトセーバー独自の形をゼロから作ったわけではなく、
Graflex本体の形をかなり残したまま撮影用小道具へ改造されています。
たとえば、
- 上部の特徴的な形
- 赤いボタン
- 中央にある金属製クランプ
- 銀色の筒状ボディ
といった部分は、もともとカメラフラッシュ側に存在していたものです。
そこへ黒いグリップや中央のバブルストリップ、Dリングなどを追加することで、一気にライトセーバーらしくなっています。
ちなみに現在でもGraflex 3 Cellを再現したフラッシュハンドルが販売されるほど、この形はスター・ウォーズファンの間で有名。
「カメラ用品なのにライトセーバーにしか見えない」
という不思議な存在になっています。
ダース・ベイダーやオビ=ワンもカメラ部品なの?
「じゃあダース・ベイダーやオビ=ワンのライトセーバーもカメラフラッシュなの?」
と気になりますよね。
実は……
ベイダーはYES。
オビ=ワンは一部分だけフラッシュが使われています。
まずダース・ベイダー。
EP4などで使用されたベイダーのライトセーバーもカメラフラッシュがベースになっています。
ただしルークと同じGraflexではありません。
使われたのはイギリスのMicro Precision Products、通称MPPが作っていた
「MPP Microflash」
という1950年代のカメラ用フラッシュです⇩

黒い上部パーツや中央のクランプなど、元のMicroflashの特徴を残しながらグリップや電卓由来のパーツなどを追加してベイダーのライトセーバーが作られました。
つまり、
ルーク → Graflexのカメラフラッシュ
ベイダー → MPPのカメラフラッシュ
というわけです。
敵同士なのに、現実世界ではどちらも古いカメラ用品から生まれているんですね。
そしてオビ=ワンのEP4ライトセーバーはもっとすごいです。
オビ=ワンの場合はフラッシュガンを丸ごと使ったわけではなく、さまざまな実用品を組み合わせて作られています。
実物部品を使って再現されたモデルを見ると、
ロールス・ロイス製ジェットエンジンの部品
↓
第一次世界大戦期の手榴弾の部品
↓
Graflexフラッシュのクランプ
↓
電卓のパーツ
↓
ブローニング機関銃の部品
↓
水栓まわりの部品
と、とんでもない組み合わせ。

これを組み合わせて、
「あのオビ=ワンのライトセーバー」
にしてしまったわけです。
こうして見るとEP4のライトセーバーって、単なる映画用の武器ではなく、
カメラ用品や軍用品、機械部品をうまく組み合わせて別の物に見せた美術スタッフのアイデアの塊
なんですよね。
カメラフラッシュをベースにしたレプリカもある
そんなGraflexの背景を知ると、
「元になったカメラフラッシュに近いライトセーバーを実際に見てみたい」
と思いますよね。
そこで面白いのが、
です。
これは単純に「ルークっぽいライトセーバー」を作ったモデルではなく、販売ページでも元になったGraflexのフラッシュガンそのものを再現することを意識したモデルとして紹介されています。

中央のレバーやカメラとフラッシュを同期させるための端子、赤いボタン、Graflexらしい本体形状など、
「なぜここにこんなパーツが付いているんだろう?」
と思う部分にも、ちゃんとカメラフラッシュだった頃の名残があります。
ライトセーバーだけを見ていると単なるSF的なデザインに見えるのが不思議・・・。
でもGraflexの歴史を知ってから見ると、
「ここ、本当にカメラ用品だったんだ……」
と見え方が変わってくるんですよね。
もちろんレプリカなので、ブレードを装着して発光やサウンドを楽しむこともできます。(しかもチャンバラOK)
約50年前の撮影現場で偶然見つけたカメラフラッシュから、世界でもっとも有名なSF武器のひとつが誕生した。
そんな背景まで含めて楽しめる1本です。
普通のライトセーバーとは少し違った「撮影用小道具を再現する面白さ」があるので、Graflexの話を知って興味が湧いた人は、一度細部まで見てみると面白いですよ^^
まとめ|EP4のセーバーは舞台裏まで知るとさらに面白い
ライトセーバーって、ただ映画のためにゼロからデザインされた武器だと思いきや、カメラフラッシュや機械部品など、現実に存在していたものを組み合わせて作られていました。
ルークのライトセーバーの元になったGraflexは、もともとカメラ用品。
それが今では、世界中の人がひと目で「ライトセーバーだ」とわかるデザインになっているんだからすごいですよね・・・。
しかも背景を知ってからレプリカを見ると、
「この赤いボタンってカメラ時代からあったんだ」
「このクランプも元の部品なんだ」
と、今までとは違った見方ができるようになります。
EP4のライトセーバーは、ただ光って音が鳴るだけではなく、撮影当時の工夫や美術スタッフのアイデアまで含めて楽しめる小道具なんです。
中でも「アレックスセイバーズ グラフレックスEP4」は、そのGraflexらしい形を細かく再現したモデル。
映画を観るだけでは気づかなかった舞台裏まで知った今だからこそ、実際のセーバーを細部まで眺めてみるとかなり楽しめますよ^^


